石川県を本拠地とする株式会社ダンボール・ワンは、1978 年の創業以来、ダンボール・梱包資材の製造と販売を中心に事業を成長させてきました。2005 年に Web 通販サイトを立ち上げ、2009 年からは Google 広告（旧 Google AdWords）を中心としたデジタル マーケティングに取り組みます。急成長に伴い 2018 年度から地元での新卒採用を決定したものの、地方の採用活動は容易ではありません。そこで採用したのは、YouTube 広告でした。

中小企業や個人向けダンボール通販事業で国内トップの売上を誇る株式会社ダンボール・ワン。近年の急成長をうけ、2018 年度から創業以来初の新卒採用を決定。これまでは、すべて無料のハローワークでの採用しか行っておらず、有料メディアを活用した本格的な採用活動は今回が初めてでした。当初検討したのは、採用活動では一般的な大手求人メディアへの出稿でした。しかし事前に調査をするうちに、「そもそも知名度が高くない企業には応募がない」「初期費用が高額で、地方の中小企業が簡単に捻出できる金額ではない」「実際にどれくらいの採用希望者が見てくれるのか費用対効果が見えない」などの課題が明らかになりました。

課題について相談した Google の担当者に勧められたのが、YouTube を活用した動画広告でした。提案を受けた後、約 1 か月で動画を作成。この施策では、ターゲットとなる石川県在住の 20 代に向けて、会社の事業や社風、取り組みを伝え、知名度を高めた上で実際の応募につなげてもらおうと、以下の 3 点をポイントとして実施しました。

1. 石川県にダンボールのネット通販日本一の会社があるという認知
2. 雰囲気も良く、若い人でも活躍できる環境への興味・関心
3. 実際の検索、ホームページ閲覧からの応募 ロール プレイング ゲーム（RPG）風の演出と、社員の顔を見せることで、同社が持つユニークさ、アットホームな雰囲気を伝えるなど、動画のクリエイティブにも趣向を凝らしました。

5 月下旬から配信を始め、わずか 15 日間で約 47 万人のユーザーに、延べ 168 万回広告を表示させることができました。約 50 万人が 3 回以上広告に接触したことになります。実際の再生回数は約 15 万回を数え、費用対効果も抜群。加えて実施したブランド リフト調査では、動画広告への接触によってブランド想起率が 2.5 倍に、表示回数が 2 回以上のユーザーにいたっては、ブランド想起率が 3.2 倍にも高まりました。またブランドの認知率も 1.8 倍に向上し、動画を最後まで視聴したユーザーのブランド認知率は 4.2 倍と高い数字を記録しました。さらに、動画が表示されたユーザーが「ダンボール ワン」と検索する確率は、動画が表示されていないユーザーに比べておよそ 20 倍高いと判明。広告経由での採用応募者は 28 名にまで達し、今回想定していなかった 2019 年度の新卒者のインターンシップへの応募も 25 名集まるなど、大きな成果を挙げました。